フタバから遠く離れて

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東海村が揺れている・・・  舩橋淳

2013年3月25日

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3月8日に茨城県日立市で、20日に水戸市にて「フタバから遠く離れて」の上映会があった。

日立には、井戸川前双葉町長と東海村の村上村長が、
水戸には、僕・舩橋が参加し、上映後のトークを行いました。
(報道はこちら: http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20130321ddlk08040073000c.html

スタッフの方に教えていただいたのだが、この頃茨城を震源とする地震が多いそうだ。21日も午後に茨城県北部を震源とする地震(M4.8) があったけど、18日は東海村が震源の震度4(M4.5)の地震があったそうだ。まさしく東海村の原発の真下である。

幸い東海第二原発はずっと停止中だ。しかし、震災時、津波は防潮堤際70センチまで迫り、福島第一のような全電源停止の恐怖がすぐそこまで来ていたということは、まだ誰の記憶にも新しいと思う。

東海村は、いま再稼働に揺れている。
村上村長があれだけ脱原発を鮮明に打ち出しているのだから、大丈夫だろうと、高を括っていた自分が迂闊だった。上映会に行って、地元の方々の話を聞くと、実は東海村議会の半数以上が再稼働に賛成なのだ。賛成9,反対7,保留2。(この保留2は公明党)村上村長もこの頃元気がなく、失望を感じているそうだ。

首都圏に最も近い原発がこのような事態になっているとは思いもしなかった。

これだけの事故があり、放射能の恐怖に晒されながら、なお再稼働を後押しする議員は村の経済・雇用、そして個人の利権に突き動かされている。小さな町村がいまもなお、目の前の問題として原発と向き合っていかなければいけない切迫感をひりひりと感じた。

原発とはたかだか30〜40年の話であり、いったん事故が起きれば、それまで1000年以上培ってきた地元の歴史も失われ、これから未来に続く家系をも断絶する。今、目の前の雇用と経済がある時そんな俯瞰した視点になんか立てない、という根源的な問題がそこにある。

これは人間の限界なのだろうか。そうは思いたくない。

福島の事故から何も学ばなければ、地方経済の負の連鎖は、さらに拍車が掛かるだろう。それを止めるのも、ずるずるとなし崩しで認めるのも、僕たちの決断に掛かっている。

「フタバから遠く離れて」は、原発立地市町村での上映を続けていきたいと思う。

東海村の村民を集めた上映会もやりたいし、来月には上関原発のお膝元・山口でも上映を予定している。

地方で原発について考える、きっかけとしてこの映画を利用してもらうのが、一番いいと考えている。

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