フタバから遠く離れて

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自主上映会のご案内

News

3月2015

Cinema du Reel国際ドキュメンタリー映画際レポート その2

2015年3月28日

フレンチ・プレミアの正式上映は一段落して、他の作品をみたり、パリ滞在中に会っておきたい人に会ったりを始める。といっても、映画の世界は実に狭く、「この映画はぜひみたいなぁ」といそいそと人知れず劇場に座っていると、知り合いの映画祭プログラマーが隣にいたりしてびっくり。ベルリン映画祭のプログラムディレクターのChristoph Terhechte や、釜山映画祭で拙作を助成してくれたHong Hyosook 氏とも再会した。

パリの天気は最悪で、どんよりとした雲と、北京よりもヒドイという噂の排ガススモッグにより、不快指数は高い。タクシー移動なんて考えられないほど、交通渋滞はヒドく、ひたすら地下鉄での移動。ホテルは2つ星のごく普通の宿で、Charlie Hebdo襲撃で160万人がデモ行進のために集ったというRepublic 広場の目の前。今も、当時のチラシの残骸や、落書きが目に付く。こちらのフランス人に聞いてみると、表現の自由ばかりを求めて群衆が熱狂したのは911後のアメリカの扇情主義のようだとたしなめる人や、移民社会の格差問題はフランスの国内問題という批判に対し、しかし移民側も努力が足りず、本当にこの社会でのし上がろうと学力やキャリアアップをしている層は少ない、と辛辣な内部批判も聞くことが多かった。なるほど、事態は単純化できないのだな、と痛感した。

2日目午後には、「フタバから遠く離れて」のワールドセールスを担当してくれているWIDE HOUSE のオフィスを訪問。モロッコ料理を食べながら、今後の戦略、どこに映画を広めてゆこうかを相談。Emailばかりで話していたけど、顔を付き合わせてみると、映画への情熱のあるスタッフばかりで心を動かされた。

3日目は、東洋・アジアの言語専門大学INALCOで、「放射能 Radioactive 」の上映会。吉田喜重監督を介して知り合ったMathieu Capel氏が、招待してくれたもので、フランス版原発安全神話について熱い議論となった。チェルノブイリのような旧社会主義的な管理体制より、フランスは遥かに優秀で、日本のように地震・津波はない。フランス政府はフクシマ後にさらに積み上げられた安全対策は「世界一」で、事故は起きない、と言い切っているそうだ。(どこかで聞いたことのある言い回し・・・)福島の悲劇を理解し、倫理的な判断を国民レベルで進める必要について、具体策が議論された。いやぁ、中身の濃い内容だった。

舩橋

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Cinema Du Reel 国際ドキュメンタリー映画祭レポート

2015年3月27日

パリ・ポンピドゥ−センターにて19日から開催されているこの映画祭のインターナショナル・コンペ部門に、「フタバから遠く離れて 第二部」が正式招待を受けました。僕の敬愛しているワン・ビン監督の作品なども、フランスでいち早く紹介してきた映画祭です。他のコンペの作品も見ましたが、傑出した作品ばかり。特にNoche herida (dir: Nicholas Rincon Gille) というコロンビアのスラム街のドキュメンタリーには、圧倒されました。映画と現代の出会う接点を見事に描き出す、芸術であり、ジャーナリスティックなステイトメントも込められた傑作に出会え、その為にここにきて良かったと思える作品でした。 「フタバ〜2」は計3回上映され、1回目のCinema 1 での上映は満員!2回目の上映でも、8割埋まるという盛況でした。上映後のQ&A では、原発大国のフランスでこの映画がぜひもっと公開されるべきだという意見、フランスは福島の教訓を活かすにはどうすればよいのか?という質問などがありました。また、フランス国内で物議を醸している使用済核燃料の最終処分場の話や、CO2排出量の削減を目的として原子力が推進されているフランスの事情についても議論されました。

舩橋淳

 

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フランス・パリでの上映情報

2015年3月20日

3月25〜28日にフランス・パリで、上映されます。

お近くの方は、ぜひお誘い合わせの上、お越し下さい。

舩橋監督もQ&Aに参加する予定です。

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< FRENCH PREMIERE of NUCLEAR NATION II >

Cinema Du Reel International Documentary Film Festival

– Wednesday, March 25th at 2:30 pm, screening followed by a Q&A with the audience in theater Cinema 1, Centre Georges Pompidou (C1)

– Thursday, March 26th at 6:30 pm, screeningfollowed by a Q&A with the audience in Luminor, Hôtel de ville (LU)

http://www.cinemadureel.org/en/programme-2015/international-competition/futaba-kara-toku-hanarete-dainibu

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On March 27th.

Le cinéaste japonais Funahashi Atsushi viendra ce vendredi 27 mars à l’INALCO présenter un moyen-métrage inédit, ” Radioactive “/ 放射能.

INALCO
65 Rue des Grands Moulins, 75013 Paris
01 81 70 10 00
http://www.inalco.fr/

Le film fait partie d’une série en cours,  ” Nuclear Nation ” /フタバから遠く離れて, entamée en 2011 après la catastrophe du 11 mars 2011, et consacrée au sort des habitants déplacés de la municipalité de Futaba.

Le dernier volet en date, ” Nuclear Nation II “,est présenté en compétition au festival Cinéma du réel :

http://www.cinemadureel.org/fr/programme-2015/competition-internationale/futaba-kara-toku-hanarete-dainibu

Conçu comme un “spin-off” de la série, ” Radioactive ” s’en démarque par la simplicité de son matériau, monté de manière très brute, ce qui ne lui donne que d’autant plus d’impact.

Pour plus de renseignements en anglais et en japonais, je vous invite à consulter le site officiel du film :
http://nuclearnation.jp/jp/radioactive/ (japonais)
http://nuclearnation.jp/en/radioactive/ (anglais)

Le film, projeté en version originale sous-titrée en anglais, sera suivi d’une discussion avec Funahashi Atsushi.

Vous êtes donc tous invités à nous rejoindre
ce vendredi
à partir de 18h,
en Amphi 2.
L’entrée bien sûr est libre.

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On March 28th,

A screening of NUCLEAR NATION II hosted by Zoom Japon.

Samedi 28 mars 2015 à 11h
Cinéma La Pagode (Paris)
suivie d’une rencontre avec le réalisateur

http://rendezvousaveclejapon.jimdo.com/

Category:Festivals